パーキンソン病の薬Q&A
手足が震えたり、体が動かしにくくなったりする『パーキンソン病』。 ”難病”として知られていますが、最近では早期から薬による治療を始めれば、症状の進行を遅らせることができるようになってきています。
■最初に
不足する「ドーパミン」の働きを薬で補って症状を抑える
パーキンソン病の根本的な原因はまだ解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の一つ「ドーパミン」 が減少することによって、運動機能の障害が起こることがわかっています。 ドーパミンには、体の動きをスムーズにしたり、バランスを保ったりする働きがあり、不足すると、震えのほか、 動作がゆっくりになったり、動きが少なくなったりします。 直接命を脅かす病気ではありませんが、進行すると日常の生活活動が制約され、介助が必要になる場合もあります。 以前は”パーキンソン病と診断されたら10年くらいで寝たきりになる”などともいわれていました。 しかし、さまざまン治療薬が開発されて、以前より症状をコントロールしやすくなっており、最近では10年以上経っても、 歩いて通院できる人が多くなっています。そのためにも、早期からの治療が勧められています。
治療の中心は薬物療法で、ドーパミンの不足を補う薬を基本に、症状を軽減するための補助的な薬を必要に応じて加え、 生活の質を維持していきます。薬物療法で症状がコントロールできなくなった場合などには、「脳深部刺激療法」 が行われることもあります。手術で脳に電極を埋め込み、電流を流して、その刺激で脳の神経細胞の働きを促します。 ここでは、パーキンソン病の薬についてQ&A形式でご説明します。
■どんな薬?
パーキンソン病の治療に用いられる薬は、多くの種類があります。 基本となるのが、ドーパミン不足を補う「L-ドパ」と「ドパミンアゴニスト」です。 これらでは効果が不十分な場合には、その他の薬が補助的に用いられます。
●質問
- ▼『どうなったら薬が必要?』
- ▼『基本となるL-ドパ、ドパミンアゴニストとは?』
- ▼『L-ドパ、ドパミンアゴニストの使い方は?』
- ▼『副作用が出たらどうする?』
- ▼『薬を使っているときに、日常生活で注意することは?』
- ▼『パーキンソン病の薬物療法で、症状が出ないようにできますか?』(2019/03/10)
- ▼『パーキンソン病でどうなったら薬物療法を始める?我慢できるなら遅らせてもよい?』(2019/03/10)
- ▼『L-ドパとドーパミンアゴニストはどう使分けられる?』(2019/03/10)
- ▼『パーキンソン病の薬が増えていくのが心配。症状がよくなっても減らせない?』(2019/03/11)
- ▼『パーキンソン病の治療でどうなったら手術が必要?手術すれば薬はいらなくなる?』(2019/03/11)
- ▼『薬を使っているときに、日常生活で注意することは?』(2019/03/11)
- ▼『水素水でパーキンソン病がよくなるって本当?iPS細胞による治療の効果は?』(2019/03/11)